薄皮一枚

記事の薄さに定評があります

ボトルネックの結末に関する感想と考察【ネタバレあり】

 

注意

本記事は小説「ボトルネック」の結末に関するネタバレを含みます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想や考察については他の方々のブログ等で語り尽くされている感はありますが…書きたいので書きます

 

 

・グリーンアイド・モンスター

造語ではなく、英語圏で使われる嫉妬の感情を意味する慣用句のようです。元ネタはシェイクスピアのオセロー

 

〈グリーンアイド・モンスター〉

ゴーストけい

ねたみのかいぶつ。

生をねたむ死者のへんじたもの。

一人でいるとあらわれ、いろいろなほうほうで生きている人間の心にどくをふきこみ、死者のなかまにしようとする。

 

心のどくを消すほうほうはない。

 

引用元:新潮社「ボトルネック」 米澤穂信著 P160

 

これを見る限りグリーンアイド・モンスターはノゾミのことを指していると思われます

リョウが一人で東尋坊に訪れた際に現れたことも、彼の生まれなかった可能世界に飛ばして心に毒を吹き込んだことも、その毒ーーこれから不幸が起こる度に、サキなら回避できたのに、と考えずにはいられないことーーは死ぬまで消えないことも、一致します

 

リョウは想像力がないと作内で何度も言われます。自分の頭で考えず、身の回りに何が起こっても他人事のように捉えてやり過ごす生き方は、彼の家庭環境がそうさせたにせよ、それはもう生きながら死んでいるようなもの。全てに無関心なので、自殺する理由も熱量もない

だから、リョウと全く同じ環境で育ちながら積極的に生きて全てが上手くいっているサキを見せることで、夢の中で他人事のように生きているリョウに「夢の剣」を突き立てたのです。こうかはばつぐんだ!

 

 

 

・川守

東尋坊に向かう途中に駅のホームで出会った、グリーンアイド・モンスターをリョウに教えた子供です

リョウとの意味深な会話から、川守はこの世界の人間ではないのでしょう

川守の性別が不明な点から、川守=ツユ説が唱えられていますが、私はもっと漠然とした、第三者的な、霊界の使者のようなものだと思いました

川守はリョウがひとりの時に現れました。その姿は恐らくリョウにしか見えない、よくあるアレでしょう

川守はリョウがノゾミに毒されているのに気付いて警告に来たのでしょう

 

さて、「川守」とはあの子供の名前なのでしょうか

「川守」には人名の他に、河川、湖沼などの両岸を船で渡って人や物を運送する人の意味も含まれます

あの子の正体は三途の川を渡って死者を向こう岸に運ぶ存在だったのかも知れません

 

 

 

・「二度と帰ってこなくて構いません」

ラストシーンのメールの差出人は母親が最有力ですが、「また東尋坊に飛び込んでパラレルワールドに迷い込むなよ」という不安定なリョウの身を案じたサキのジョークだったという説が救いがあって好きです。サキはリョウの電話番号とメアドを知っているので、可能性は十分あります

 

その場合、自分の行く道を誰かに決めて欲しがっていたリョウは身投げせず生きることを選択するでしょう。「うっすらと笑った」のも、現状を笑い飛ばす気力が湧いたと解釈できます

 

でもまぁ…リョウがあの家に戻る選択を手放しで喜べないのがこの物語の怖いところですね。死ぬよりはいいよ、とハジメなら言うでしょうけど

 

 

 

イチョウ

結末を読者に想像させる終わり方だったので、作内で散々想像力がないと言われたリョウの、ノゾミの真意を想像したあの語りが全て真実だとは思えないんですよね…

 

反論があるとしたらこうです

イチョウの木のお婆さんにノゾミが「死んじゃえ」と言ったのはノゾミがリョウを模倣する前

金を積まれて断ったのが気に入らないと語ったのは、リョウを模倣して「何でもないひと」になってから。これはノゾミの真意ではありません

それを混同しているため、リョウの推測は正しくない、といえます

 

というかリョウが色々勝手に考えてますが、サキが「イチョウを思い出して」と言ったのは、私は全然別の意味だと思っていました

 

サキはイチョウを切った。そのおかげで食堂の爺さんは助かったけど、そのせいで交通量が増えて、ノゾミを危険に晒すところだった。だからサキの世界は全てが完璧じゃない。リョウも諦めないで、と

 

なんであれサキはリョウに生きて欲しかったのですが、それが逆にリョウを追い詰めてしまっているのは同じです

 

ノゾミが死んじゃえと言ったことに特に深い意味はないと思います。ただ家庭の事情で心が荒んでいて口走っただけだと。でもそれを聞いたリョウが見るからに失望した顔をしたので、後からリョウ好みの理由を付け足したのだと思いました

 

では、サキの言う「あの子が本当に望んでいたもの」とは?

グリーンアイド・モンスターの望みがリョウの死なら、ノゾミの望みも同じでしょう

では本当の望みとは?それは「何でもないひと」であるリョウの死、でしょうか

グリーンアイド・モンスターが生を妬むからこそ、ノゾミは死んだように生きているリョウが許せなかったのでしょう

何でもないひとでいる限り、リョウは傷付くことはありませんが、自分という他人の人生をただ眺めて過ごすのは、それは生きているとは呼べない。ノゾミはリョウの生き方を模倣して、それに気付いたのでしょう

自分とは違ってリョウには、辛くても傷付いても悲惨でも、自分の人生に真っ向から向かい合って欲しい。リョウとサキを会わせる荒療治をしてまで、ノゾミは彼に目を覚まして欲しかった

打ちのめされたリョウがようやく現実を直視し、「生きていたくない」と零した時点でノゾミの願いが果たされたため、リョウは元の世界に戻れたのだと思います

 

ノゾミは、リョウに本当の意味で生きて欲しかったのです

 

……と、いうようなことをサキは想像したのでしょうが、果たしてリョウはその真意に気付くことが出来たのでしょうか

 

 

 

・おまけ 印象に残ったシーン

リョウのノゾミへの気持ちは恋ではなく自己愛だったと気付くシーンがどうしようもなく救いがなくて好きです

 

リョウは自分のせいで世界が悪くなったと思っていますが、嵯峨野家に生まれたのがリョウだから駄目なのではなく、彼が何も行動を起こさないでボトルネックのように身の回りの世界を滞留させていたことが原因だと思いました。だからリョウの今後の行動次第で世界が好転することも十分あり得ると思うので諦めずに頑張って欲しいです。リョウと私は考え方が重なる部分が多く、読んでいて思わず今までの人生を振り返って反省してしまいました

 

 

トゥルーマン・ショーのラストシーンうろ覚え

 

監督「この世界は全部嘘でした!ねぇ今どんな気持ち?テレビの前でみんなが見てるぞ?なんか面白いこと言えよ!」

トゥルーマン「会えないときのために、こんにちは、こんばんは、おやすみ」

監督「あーつまんね」

 

たくさん言いたいことあっただろうに、それすら晒されて視聴者の笑い者になるくらいなら、全部押し殺して普段通りにドラマ内の台詞言うの皮肉が効いてて好き

 

トゥルーマンになりたい

嘘でもいいから優しい世界で生きたい

でも俺の人生がつまんないせいで視聴率低くて打ち切られそう

そしたら俺は殺されちゃうんだろうか

もっと優秀で面白いトゥルーマンが俺の居場所に取って代わるのかな

やっぱり、現実と変わらないな

 

【インシテミル】プロローグの語りは誰なのか考えてみた

 

警告

この記事は、小説「インシテミル」のネタバレが含まれます

 

それでも良いという方のみ、この先にお進みください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて

 

内容はタイトルの通りです。お手元に小説をご用意していただくと本記事を読む助けになりますが、なくても伝わるように頑張ります

 

 

Day-30

波乱を期待して応募した

 

Day-29

小遣い稼ぎのつもりで応募した

 

Day-28

記述が真実かどうか確かめるために応募した

 

Day-27

他の短期雇いと並行して応募した

 

Day-26

夜明けに応募した

 

Day-25

冗談のつもりで応募した

 

Day-24

警告を無視して応募した

 

Day-23

馬鹿をあしらってやろうと応募した

 

Day-22

何でもするつもりで応募した

 

全部で9種類。Day-21から結城、須和名、サクラだった西野を除外した、

 

大迫、若菜、釜瀬、岩井、箱島、真木、関水、安東、渕のいずれかに対応するものと考えます

 

まず確実なのは、Day-29=釜瀬、Day-27=渕、Day-25=若菜、Day-23=安東、Day-22=関水でしょう

 

Day-29は考えが浅い人物として描かれています。大迫に頼って付き従っていた釜瀬が該当します

 

Day-27は渕が「日働きでもなんでもお金を作らないと」と言っているので当てはまります

 

Day-25は群を抜いてアホっぽいので若菜です

 

Day-23はエピローグを見るに安東で確定です

 

Day-22は殺人を犯してまで10億円が欲しかった関水で間違いないでしょう。謎多き関水ですが、別記事で正体と目的を考察したのでよければ読んでみてください

 

【インシテミル】関水の正体と目的に関する考察 - 薄皮一枚

 

整理します

 

 

Day-30=???

波乱を期待して応募した

 

Day-29=釜瀬

小遣い稼ぎのつもりで応募した

 

Day-28=???

記述が真実かどうか確かめるために応募した

 

Day-27=渕

他の短期雇いと並行して応募した

 

Day-26=???

夜明けに応募した

 

Day-25=若菜

冗談のつもりで応募した

 

Day-24=???

警告を無視して応募した

 

Day-23=安東

馬鹿をあしらってやろうと応募した

 

Day-22=関水

何でもするつもりで応募した

 

 

残り:大迫、箱島、岩井、真木

 

この中で一番主人公っぽいDay-30については、他の方の考察を見ると箱島説が有力ですが、自分は岩井だと考えています

 

逆張りかよと言われそうですが、本文中に、Day-30は岩井以外にあり得ないという証拠が明記されているのです

 

それは、7日目の「監獄」で、岩井が真木のことを悔いるシーンです。お手元の本が単行本でしたら、402ページです

 

岩井「(前略)俺はただ、バイト情報誌の誤植をみつけて、まさかと思って、ただの冗談で応募したんだ(後略)」

 

プロローグで、「雑誌を読んで求人を見つけた」のはDay-30、-27、-25、-23

 

-27、-25、-23については渕、若菜、安東で確定しているのでDay-30は岩井以外にあり得ないのです

 

また、岩井はただの冗談で応募した、と言っています。残された4つのプロローグの中でDay-30だけ「波乱を期待して」とちょっと浮いた理由で応募していることからも、Day-30岩井説は有力だと考えます

 

次に、Day-28の人物は、友人に誤植を教えられて求人を知りました。しかし、その人物は「あるいはこういうこともあるのかもしれないと考え」ました。生真面目さを感じ取れるため、これは大迫でしょう。この「友人」は若菜でしょうね

 

残るは真木と箱島です

 

Day-26の人物は何かに病んでいてメンタルが危ういです。めっちゃ酒飲みます。この時点で箱島ではなさそうですが……

 

真木は西野と酒を飲んでいます。また、西野との酒を「昨日の酒は久しぶりに楽しかった」と言っているので、いつもは楽しくない酒を飲んでいると分かります

 

真木が何に病んでいるのか明言はされてませんでしたが、西野の死体を見て「他殺体を見るのは、初めてじゃないんだよ」と言ったことから、何か闇の深い人物だと推測できます

 

真木さんの職業はなんなんでしょうか。「人の視線を浴びることに慣れているようでもある」イケメンで、酒を飲んで、他殺体を見たことがある。ホストとかロックバンドのメンバーとか月並みなものしか出てきません。影のあるイケメンってカッコいいですよね。序盤で死んでショックでした

 

というわけで、Day-26は真木、消去法でDay-24は箱島です

 

というのも乱暴な気がするので一応考えてみましょう。Day-24の人物は警告を無視して応募したとあるので、自身の能力に自信がある人物だと考えられます。この特徴は、頭脳派として活躍した箱島に当てはまります

 

以上。結論はこうです

 

Day-30=岩井

波乱を期待して応募した

 

Day-29=釜瀬

小遣い稼ぎのつもりで応募した

 

Day-28=大迫

記述が真実かどうか確かめるために応募した

 

Day-27=渕

他の短期雇いと並行して応募した

 

Day-26=真木

夜明けに応募した

 

Day-25=若菜

冗談のつもりで応募した

 

Day-24=箱島

警告を無視して応募した

 

Day-23=安東

馬鹿をあしらってやろうと応募した

 

Day-22=関水

何でもするつもりで応募した

 

では

 

 

 

【インシテミル】関水の正体と目的に関する考察

 

警告

この記事は、小説「インシテミル」のネタバレが含まれます

それでも良いという方のみ、この先にお進みください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

などと、プロローグのオマージュをしつつ


米澤穂信著「インシテミル」に登場する謎多き人物、関水美夜

 


大迫・箱島殺しの犯人であり、事情により10億円を稼ぐ必要があったとクライマックスで判明します


しかし、その理由や、関水の正体は話の最後まで不明なままでした


まぁ、10億円は殺人の動機のための設定であり、その理由は本筋に関係ないので考えるだけ野暮だと言われればそれまでなんですが


それで終わらせてしまうのはあまりにもなので、陰謀論ばりにこじつけて考察してみました。二次創作だと思って気軽に読んで頂けたらと思います

 

まず、作内で書かれた関水の特徴をいくつか抜き出してみます

 

・結城に少年と見間違えられる


・栗色に染めた髪


・大学生くらいの年齢


・渕さんには比較的気を許している


・茶碗蒸しから銀杏を取り除く


・若菜の肘が目に当たり、もんどり打って倒れる。その後も、片目を押さえてしゃがんでいた


・「太陽の光の下で見ると、関水の肌は荒れに荒れ、目も赤く血走っている」


・なぜか右目にだけ涙が溜まっていく


・「あたしが、ここで十億円稼がないと……。みんな、死んじゃう。何人も、何人も……」


・「全てが終わった後、関水は、何も告げずに家を出た。一振りのナイフを手に」


……

銀杏のシーンは関係あるのかなぁ


この中で鍵となるのは、終盤の大詰めで謎解きに関係ないのになぜかねじ込まれた「右目にだけ涙が溜まっていく」という文章でしょう

若菜に肘打ちされて角膜が傷ついたのかなと思いましたが、だとしてもそれをわざわざ書く理由がありませんよね。この文章に関水の秘密が隠されていると考えられます


これらを踏まえて、関水の正体について2つの説を考えました

 

 

①関水の左目は義眼

正体は臓器売買組織から脱出した被害者説

 

根拠


・若葉の肘が目に当たる→左目が見えていなくて避けられなかった(※文章中にどちらの目に当たったか記述はない)


・片目を押さえてしゃがんでいた→義眼が壊れるかズレたため


・きっかり10億円欲しい→組織を潰すための殺し屋を雇う資金

 

関水は臓器売買を行う組織に拉致され、左目を奪われた。「みんな死んじゃう。何人も何人も」とあるのは、関水と同じく拉致された子供たちや、これから拉致される子供たちのことでしょう


殺される前に関水は運良く脱出しました。協力者の存在は間違いないでしょう。関水は自分が死んでまで金を手に入れようとしました。遺志を継ぐ人物は確実に存在したと考えられます


組織の壊滅を誓う関水は、殺し屋を雇うために金が必要だった。その依頼料が10億円だったのでしょう


エピローグで関水はナイフを持って家を出ます。家を出たのは殺し屋に会いに行くためで、ナイフは治安が悪い地域に赴く護身用として持っていったと考えられます


しかし、関水義眼説には次のような反論が挙げられます


「太陽の光の下で見ると……(中略)……目も赤く血走っている」

とありますが、義眼が血走ることはありません。片目だけ血走る、とかそんなふうに書かれるはずです。薄暗い暗鬼館ならともかく、太陽の下で見たのに見逃すというのも苦しいです

 

また、片目にだけ涙が溜まっていく、とありますが、眼球を摘出しても涙腺は残るので涙は出るはずです。でもここはちょっと分からないです。目と義眼で涙の溜まり方に差があるのかも知れません。義眼の知り合いがいないので詳しくは分かりません


ここで、今一度「片目だけに涙が溜まっていく」に立ち戻ってみましょう


片目だけ涙が出る原因を調べてみると、逆さまつげやストレスなど色々ありましたが、いずれも「それ今言う?」ってものばかりでした


さらに調べてみると、涙が出やすくなる涙道閉塞という病気がある薬の副作用で発症するとの報告を見つけました


抗がん剤です

 

ここで、次の説を提唱します

 

②関水元がん患者説

 

涙道閉塞は片目だけにも起こるそうです。関水の右目は抗がん剤の副作用で涙が出やすくなっていたと考えられます


そして、この説は本文中のある記述により大きく補強されます


聡明なる読者諸君はお気付きでしょうが、関水は結城に男と見間違えられています。これは、単に目つきの問題ではなく髪型のせいだったのでしょう


箱島のことは男か女か分からないと評していた結城が、関水のことは初めから男と決めてかかっていたことからも、かなりの短髪だったと推測できます。栗色に染めていたのは地肌が目立たないようにするためでしょうか


渕さんに心を許していたのも、面倒を見てくれた看護師さんと雰囲気が似ていたから無意識に警戒を解いたためという想像もできます


10億円の用途については、こんなところでしょうか


がんで入院した関水は、ある病気で入院している女の子と出会います

 

「大丈夫、きっと治るよ」


「ううん……うち貧乏だから、手術代払えないんだ」


そして、ある日を境にその子と会うことは二度とありませんでした


何年も入院した関水は、似た境遇の子供たちに何人も出会い、気付きました


関水が入院していた病院は、裏では治療費が払えない患者の安楽死を請け負っていたのです


日本では安楽死は違法なので表に出ることはありません。が、患者がこれ以上苦しまないように、ドクター・キリコみたいな担当医が殺していたのです。ニコチン注射でもして


治療を終えて退院した関水の頭に浮かぶのは、親が治療費を払えずに死を待つ子供たち。金さえあれば死なずに済む。金がほしい


関水はそんな子たちに寄付するために10億円を欲した。「みんな死んじゃう。何人も何人も」とあるので、今入院している患者だけでなく、これから入院する患者のことも考えての金額だったのでしょう


エピローグの「全てが終わった後、関水は、何も告げずに家を出た。一振りのナイフを手に」とあるのは、振り込まれた金を寄付し終えたということでしょう


ナイフを持っていったのは、キリコを脅して真実を吐かせるためでしょうか。その後、実際にやっちゃうのかも知れません


本気で殺すつもりなら包丁でもよさそうですが、ナイフという単語の持つ暴力性に、関水がこれからすることを暗示させたのではと考えられます


これが第二の説の全容です

 

 

 

いかがでしたか?


関水の事情は意図的に説明されていないので妄想が暴走しますね。考察というより二次創作です


個人的には関水の見た目を回収したがん患者説を推したいですが、言うほど10億円きっかり必要か?と聞かれると、うーん……何か別の事情があるのかも知れません


なんであれ、謎多き関水が本作の読後感に一役買っているのは間違いないでしょう